
パット・アメント著「Master of rock」を読了したのでメモ。この本は「ジョン・ギルのスーパーボルダリング」の原著。邦訳版が絶版につきペーパーバック版を購入したのだけど、ずっと積ん読状態で、この度14年ぶりに重い腰を上げて、頑張って読んだのでした。以下、印象に残ったポイント。
* 地ジャンについて
ギルはしばしば地ジャンで課題設定することがあった。審美眼的に良いと思ったらそうしているように思われる由。ビクター1級なんて、SDからの一手は蛇足感あるよなぁと共感。
* パトリックエドランジェ
1980年代にパトリック・エドランジェがフォートコリンズのギル・プロブレムをトライしに来ている。60年代に作られた課題だが、エドランジェのトライ結果は渋いものだった模様。
* 家庭関連
仕事とクライミングのし過ぎでバツイチ、数年で再婚した由。
* ビルダリング
所属している大学の建造物をしょっちゅう登っていた。隠れて。
* ボルダリング事始め
イヴォン・シュイナードと20歳過ぎの時に始めた。bouldering is instant sufferingの人、ここにも。
* 最も楽しかったボルダリングセッションの話
今までで一番楽しかったボルダリングセッションは、岩まで行って登るためにクライミングシューズを履いているときに20ドルを拾い、アプローチシューズに履き直して家に帰った時、という話。ほっこり。
* フリーソロの安全対策
フリーソロにおいてできる限り安全マージンを確保したいなら、直面しているクライミングで必要となるテクニカルな課題以外のことを一切考えないことである。との由。少し違うけど、ノーマットでのクライミングにおいて、ヤバイ課題は一人の方が集中できるという、室井さんの話に通じるものを感じる。
* メニューソロイングという考え方
ギルが肩の怪我から復帰した50代からのクライミングは、気ままなフリーソロを好んだ模様。その場合、クラックのようにラインがはっきりし過ぎているものよりも、ホールドが散らばっていて登りながらいろんな選択肢を気ままに選んでいけるような、そんなルートを好んだという。「岩がここを登れよと言っている」の先にあるものなんでしょうか。